日本アルプスを有する長野県は「標高の高いキャンプ場ベスト5」に4つのキャンプ場がランクインしています。
今回は日本2位の標高を誇り、「雲上の楽園」と呼ばれ満天の星や天の川の観察スポットとして有名な、飯田市のしらびそ高原山岳オートキャンプ場(標高1,918m)をご紹介します。
標高1,900m以上のキャンプ場は、どんな感じなのか体験してみたく行ってきました。
山梨では最高気温37℃の週末となり、ちょうどいい形で避難できました。
・利用時期:2024年7月下旬/土日
・天気:晴れのち曇り/晴れ
・現地気温:最高33℃/最低16℃
キャンプ場の特徴
満天の星(天の川)を見ることができる
南アルプスユネスコエコパークとして登録され、「星降る聖地」と天文ファンから人気のスポットになっています。星空観察のために車中泊でキャンプ場を利用される方が多いようです。
カメラ初心者が撮っても星の多さが分かるくらいなので、実際はもっと鮮明に満天の星を観察することができます。
星空が有名なので、インフィニティチェアやコットを出して、区画内の灯りは最低限にして夜空を見上げている方が多かったです。
360度パノラマで星空観察したい方は、テントサイトから徒歩5分ほどのホテル駐車場から見るのがおすすめです。
3,000m級の山々の絶景
Aサイトからは南アルプスを見渡すことができます。
利用したA-1は目の前に多少木はありますが、隙間から南アルプスを見ることができます。
最近、国からサイト前の樹木の伐採許可が下りて以前より見晴らしが良くなったようです。良いタイミングで利用できました。
ホテルの駐車場まで行けば360度アルプスを見渡すことができます。運が良ければ、中央アルプスに沈む幻想的な夕日と夕焼けを見ることができます。
朝はホテル駐車場で南アルプスから昇る朝日を見られます。テントサイトは左方向から朝日が昇ってくるため木々に阻まれ日の出を見ることはできません。
標高1,900mはやはり涼しい
13時半:気温33℃/湿度40%
14時:気温29℃/湿度50%
16時半:気温24℃/湿度66%
18時:気温20℃/湿度82%
22時:気温18℃/湿度95%
翌5時:気温16℃/湿度89%
設営が終わって寛ぎだしたとき、温度計は33℃と1,900m以上の標高でもやっぱり暑いのかと思いましたが、たまに吹くそよ風がエアコンの風くらい冷たく、14時を過ぎると30℃を下回り、そこからどんどん気温が下がり、寝るころには18℃まで下がりました。
湿度は高めでしたが、気温が低いのでジメジメとした不快感は一切なく、薄手の長袖で過ごせました。
ホテルの大浴場は入り放題
ホテルの大浴場を利用することができます。
夜は15時~22時まで、翌朝は5時~8時まで利用可能で、1名500円を支払えば何回でも入浴することができます。標高1,900m以上あるとは言え、設営で汗をかくこともあるので何度も温泉に入れるのは嬉しい。
虫よけスプレーを貸してくれる
アブが多いことでも有名で、ホテルの駐車場に着いてからずっと飛んでいました。
受付でパワー森林香を購入したからか、「テントサイト利用者には虫よけスプレーを貸出してるから持って行っていいよ」ということで、お言葉に甘えてお借りしました。
注意点
アブが多い
受付のホテルに到着してすぐ、スズメバチにそっくりなアブ(アカウシアブ)に囲まれました。
アブの習性で「排気ガス、熱くなったエンジンや車体、黒っぽい色」に寄ってくるようで、標高1,900mまで登ってきてエンジンはかなり熱くなっていたし、ボディカラーもネイビーなので恰好の的となりました。
サイトに停めてからも一向に収まらず、仕方なく区画内にパワー森林香を6つ同時に焚きながら設営しました。
蜂が苦手なので、この時期のキャンプは黒っぽい色の服を着ることは避けていましたが、まさかアブがここまでいるとは予想外でした。
区画の指定はできない
区画の指定はできず、当日受付時に区画を指定されます。
「区画はどのように決まるのか?」それとなく聞いてみたところ、予約順で見晴らしのいい区画へ割り当てていくようです。
どこかで「電話予約すれば区画を指定できる」と見た覚えがありますが…そんなことはないようです。
1週間前にたまたまキャンプ場のHPを見ていたら、キャンセルが出ていて急遽予約した経緯があったので、A-1がAサイトの中では一番最後に割り当てられるんだと思います。
区画前が通路で人通りがある
区画と景色の間に通路があるため、トイレや炊事場に向かう人、大浴場などホテルに向かう人が目の前を横切ります。
できれば避けたい区画は、A-1・A-10・B-1です。
A-1は、大浴場などホテル方面に向かう人が必ず目の前を横切ります(そこまで頻繁ではない)。
A-10とB-1は、トイレ・炊事場に一番近い区画なので頻繁に人の行き来があります。
おすすめの区画は、A-2・B-6です。
A-2は、通路と区画に高低差があり、目の前を人が行き来しても景観に支障がなくおすすめです。
B-6は、テントサイトで一番奥の区画となるので、人が来ることはなくプライベート感があります。
圏外になるキャリアがある
テントサイトでdocomoが圏外になりました。キャンプ場に向かう山道に入ってからずっと圏外でしたので、スマホナビで向かわれる方は要注意。
※ Softbankは問題なく使用できました。
トイレに虫が侵入しやすい
テントサイトにあるトイレは、男女それぞれ扉はありますが、張り紙のとおり虫が沢山侵入しています。
入退室のときは気を付けましょう。
トイレ内には、対策としてハエ取り紙が吊るされています。久しぶりに見ましたが、効果はあるみたいです。
サイト
場内マップ
受付のホテルから車で約2~3分ほど下ったところにテントサイトがあります。
大浴場や売店、星空や日の出を見るため、3回ほどホテルまで徒歩で向かいましたが、テントサイトからは上り坂が続くので、日頃運動不足の私にはとても良い運動になりました。ホテルまでは徒歩だと5~7分程かかります。
Aサイト
約8m×8mの区画内に駐車スペースが設けてあり、一段高くなったL字型の設営スペースがある区画設計になっています。A-1~A-10までは横並びですが、A-11のみA-3の後ろに配置されています。
(利用されてる方がいたので、A-11からの眺望は撮影できていません…)
ほとんどの区画から南アルプスを一望できます。特に見晴らしの良い区画は、A-3~A6です。
A-1は、(前述しましたが)木が目の前にあるので見晴らしはそこまで良くありませんが、木々の隙間から南アルプスを眺められます。
設営スペースが高くなっているおかげで、正面に多少木はありますが、南アルプスを一望することができます。また、A-1の反対側に隣接する区画がないため、プライぺート感もあり、個人的には一番おすすめの区画です。
設営スペースが他の区画と隣接せず、プライベート感もあり眺望も素晴らしいです。
A-3~A11は、駐車スペースと設営スペースがほぼ同じ高さに設計されている、カーサイドタープや車へのアクセスがしやすい魅力もあります。
景色に電柱が入り込みますが、南アルプスが一望できます。
トイレと炊事場に近く安心な反面、A-1~A7・A-11の利用者が水場利用の度に目の前を横切るのでプライベート感は低いです。
Bサイト
こちらも、約8m×8mの区画内に駐車スペースが設けてあり、一段高くなったL字型の設営スペースがある区画設計になっています。B-1~B-6まで横並びです。
区画からの眺望はあまりよくありません。すべての区画が目の前に木々や藪があり、隙間から少し南アルプスが見える程度です。
全体的にプライベート感が高いのが魅力です。
傾斜に区画が設計されているため、区画一つひとつが段違いになっています。
区画の右側に駐車スペースが設けられており、一段高い右隣との目隠しに車を止めることができます。
また、朝日が差すのもAサイトに比べ遅く、夜露でキャンプギアが濡れるので、チェックアウトの10時までに乾かすのが大変そう。
水場がAサイトの高さにあるため、毎回勾配のキツイ階段を上がらないといけないのがマイナスポイント。
基本情報
しらびそ高原山岳オートキャンプ場
所在地 | 長野県飯田市上村979-53 |
標高 | 1,918m |
公式ホームページ | しらびそ高原山岳オートキャンプ場 |
営業期間 | シーズン営業(4月~11月) |
予約 | なっぷ 3か月前から予約可能 |
キャンセル | 3日前からキャンセル料発生 |
決済 | 現金・クレジットカード |
チェックIN | 12:00~18:00 |
チェックOUT | ~10:00 |
アーリーイン/レイトアウト | × |
広さ | 約64㎡(8m×8m) ※ 駐車スペース含む |
定員 | なし |
地面 | 芝&砂 |
ペット | 〇 |
AC電源 | × |
利用料金
平日 | 休前日・特別日 | |
Aサイト | 5,500円 | 6,500円 |
Bサイト | 5,000円 | 6,000円 |
・料金は利用料の上記金額のみ。定員もないのでソロよりファミリーがお得!
・ペット料金もないので、ペットとキャンプをしたい方にもおすすめ
アクセス
施設情報
管理受付棟
しらびそ高原ホテル「天の川」。ホテル前の駐車場に停め受付フロントへ。ホテル宿泊者もいるので駐車場は広く、駐車場の前には芝生の広場が広がっています。
こちらが受付フロントの入口。
入口左手にフロントがあります。こちらで受付を行い、区画やルールなど説明を受けます。
フロントの右手には売店がありお土産の食品やご当地手ぬぐい・ステッカーが売られています。
エントランスに薪・炭、調理道具などの無人販売があり、フロント前には無料貸出用の銀マットまで用意されています。
炊事場
AサイトとBサイトの間に炊事場があります。
シンクは6個と充実しています。お湯は出ません。洗剤等もないので持参しましょう。
トイレ
館内トイレは、「環境維持協力費」として1回100円の募金を募っています。高所では水はとても貴重な立地なので、しょうがないですね。
男性は和式が1室のみ、女性は洋式が2室あります。
テントサイト唯一のトイレはAサイトとBサイトの間にあり、Bサイトは下段にあるので階段を上ってこなければなりません。
男性は洋式が1室(こちらは洋式)、女性は洋式が2室。
用途は分かりませんが、更衣室があります。
大浴場(ホテル「天の川」館内)
尾高山系の湧水を沸かしたお湯の大浴場(温泉ではない)。42度と少し熱めのお湯の大きな内風呂が1つ。
脱衣所も広くて清潔感があり、アメニティも最低限のものは用意されています。
※ 一回料金を支払えば、利用時間内は何度でも入浴できます。
利用時間 | 15:00~22:00 翌5:00~8:00 |
料金 | 大人:700円 小人:400円(小学生まで) 幼児:無料 ※タオル販売200円 |
アメニティ | シャンプー リンス ボディソープ ドライヤー |
灰捨て
すべての区画に設けられ、この炉のみ直火がOKです。焚き火後の掃除が楽になるので助かります。
周辺情報
スーパー/コンビニ
<スーパー>
<コンビニ>
キャンプ場から一番近い店舗も車で1時間程かかります。
食材の買い出しは、キャンプ場に向かう前に購入しておくことをおすすめします。
観光
・下栗の里:標高800~1100m、「日本のチロル」と表現されるほどの絶景地
・旧木沢小学校:ぬくもりとノスタルジーがいっぱい昭和7年に建てられた木造校舎
最後に
標高1,900m以上のキャンプ場だけあって、猛暑が続く中、昼過ぎから25℃以下の快適環境で過ごすことができました。眺望を重視される方は、BサイトよりもAサイトをおすすめします。かつ、予約開始となったタイミングで予約すれば、より眺望が良い区画を利用できるかもしれません。
星空観察が有名なキャンプ場として有名なので期待していましたが、天候に恵まれ、綺麗な夕日や夕焼けが見れたこと、満天の星と天の川を見れたのはとてもラッキーでした。テントサイトからも星空は見れますが、夕日や朝日はホテルの駐車場まで行かないと見れないので、サイトから少し距離はありますが、利用された際はホテル駐車場へ行ってみることをおすすめします。
一方で、夏に利用する場合は、アブと格闘することを覚悟しておいた方がいいです。
私たちが利用したA-1が、他の区画に比べ極端にアブが多いのか?とはじめは思いましたが、どうもそういう訳ではなく、どの区画でも同じように多いようです。(A-4かA-5あたりの子供がアブと格闘している声が聞こえてきたので…)
次回利用することがあれば少し寒い時期に利用したいと思います。
ホテルの大浴場も一人500円で何回も利用できて、とてもコスパが良いですし、スタッフさんの人柄もとても良く親切な方が多かった印象があるので、アブさえいなければとても好規格だと感じました。
気になった方は是非チェックしてみてください。